がん細胞を直接攻撃する医薬品・漢方

がん細胞を直接攻撃する薬は?

『自宅でできるがん補完代替療法』でお話したように、

がん細胞には、がん細胞に特徴的に見られる

・唯一使用可能なエネルギー

・身の守り方

・栄養補給の方法

・増殖の方法

などがあります。

 

こちらのページでは、このがん細胞の

通常の細胞には見られない特殊な動きを

ピンポイントで攻撃することでがんを治療する

『医薬品・漢方薬』を紹介いたします。

基本的に専門のクリニックにての処方もしくは治療になります。

 

2-DG

2-DGは、2-デオキシ-D-グルコースのことを言います。

がん細胞のエネルギーシステムを阻害して、

がん細胞を攻撃します。

 

名前を見て分かるように、正常細胞、がん細胞の

エネルギー源となるブドウ糖(グルコース)と

似たような構造をもった物質です。

そのため、がん細胞はエネルギー源として細胞内に

どんどん取り込みますが、構造がブドウ糖と

ちょっと違っているためエネルギーとしては

全く使い物になりません。

そのため、がん細胞にとっても正常細胞にとっても

無用の長物なので、逆にがん細胞の増殖速度を

低下させる方向に働きます。

加えて抗がん剤や放射線に対する

がん細胞の感受性を高める働きもあります。

 

糖質制限食を行っている場合には、もともと

ブドウ糖が少ない状態なので、より少ない量で

効果が期待できます。

 

メトホルミン

がん細胞のエネルギーシステムを阻害して、

がん細胞を攻撃する物質です。

上記、2DGと両方摂取することで、抗腫瘍効果が

相乗的に高まるとの報告が得られています。

 

メトホルミンは、元々経口糖尿病薬なのですが、

がん治療においては、2つの効果があります。

1つ目は、細胞内でのエネルギー工場である

ミトコンドリアの呼吸酵素を阻害してエネルギー源(ATP)

を作りづらくすること。

2つ目は、がん細胞が「がん細胞を作れ!」という

シグナルを阻害する働きです。

がん細胞は、インスリンなどの増殖刺激を受けて

がん細胞増殖、血管新生、栄養素の取込みや

エネルギーを作りだしますが、その刺激の途中の

段階に割り込んで阻害します。

 

このメトホルミンには、他にもがん予防効果、

抗がん剤の感受性を高める効果などの論文も

数多く出ています。

 

ジクロロ酢酸

がん細胞の中で、ミトコンドリアの働きを高めて

がん細胞の自死(アポトーシス)を起きやすくする薬です。

 

細胞がエネルギーを得る方法には、

1.細胞質での酸素を使わない少量のエネルギー生産

2.ミトコンドリアでの酸素を使う大量のエネルギー生産

があるわけですが、がん細胞においては2の方法が

抑制され、1の方法が主なエネルギー獲得手段となっています。

これを『ワールブルグ効果』と言います。

なぜ、がん細胞でこのような非効率な方法が

採られているのでしょうか?

最近の研究により、自分を死ににくくするために、

自死(アポトーシス)メカニズムが働くミトコンドリア

の働きを抑えていることが分かりました。

したがって、ミトコンドリアを働かせれば、

アポトーシスが働き、がん細胞は死んでいきます。

この作用を持つ薬がジクロロ酢酸ナトリウムです。

 

青蒿(セイコウ)アルテスネイト

もともとマラリアの治療に使われてきた漢方薬の

青蒿(セイコウ)の中に抗がん作用のある物質が見つかりました。

マラリアの特効薬として使われているアルテスネイトという薬です。

 

正常細胞内では鉄はあまり存在しないのですが、

がん細胞内ではたくさんの鉄イオンが含まれています。

アルテスネイトは、その鉄イオンと反応して、

細胞にとって猛毒であるフリーラジカルを発生させます。

正常細胞では、もともと鉄イオンも少なく、

フリーラジカルを無毒化する酵素も備わっているので

それほど影響はないのですが、がん細胞では、

無毒化する酵素も少なくなっているので、

非常に効果的に働きます。

 

培養細胞や動物実験では、白血病、大腸がん、肺がん、

悪性黒色腫、肝臓がん、卵巣がん、骨髄腫、膵臓がん

などで抗腫瘍作用が報告されています。

 

オーラノフィン

もともと関節リウマチの薬であるオーラノフィンにも

抗がん作用があることが分かってきました。

 

その作用は、様々なものがあります。

1.がん細胞の増殖や転移を促進する物質(STAT3)の活性化を阻害する

2.細胞内の抗酸化機構の一つであるチオレドキシン還元酵素を阻害する

放射線治療や抗がん剤は、がん細胞内で活性酸素を

発生させてがん細胞を攻撃しますが、この作用を

サポートする働きをします。

3.DNAやタンパク質などの合成を阻害する

4・がん細胞の増殖抑制やアポトーシスを引き起こす

ビタミンD3やレチノイドの働きを促進する

 

ジスルフィラム

アルコール依存症の薬であるジスルフィラムにも

抗がん作用があることが分かっています。

 

その作用には次のようなものがあります。

1.がん細胞内の活性酸素を無毒化する酵素を阻害し、

がん細胞を死に追い込む

2.ジスルフィラムとがん細胞内の銅イオンとの

複合体はがん細胞内で強い毒性を発揮します

3.がん幹細胞は、がん細胞の中では、ミツバチに例えると

女王蜂のような存在のがん細胞です。

ジスルフィラムは、がん幹細胞の抗がん剤の

感受性を高める働きがあります

 

サリドマイド、COX-2阻害剤(celecoxib)、アルテミシニン誘導体

がん組織が大きくなるためには、栄養、酸素などを運ぶ

血管を増やす必要があります。

がん細胞は、みずから血管を増やすシグナルを

発して血管を作っていきます。(血管新生)

サリドマイド、COX-2阻害剤(celecoxib)、

アルテミシニン誘導体には、この血管新生を

阻害する働きがあります。

 

ノスカピン

咳止めとして使われてきた薬品で、咳止めとしての量より

多い量で、抗がん作用があることが報告されています。

がん細胞の細胞分裂の働きを阻害したり、

抗がん剤の感受性を高める働きがあります。

実際に、乳がん、肺がん、前立腺がん、卵巣がん、

脳腫瘍、悪性リンパ腫、白血病などで使用されています。

 

 

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