免疫細胞を増強する医薬品・漢方

がんに対する免疫細胞を増強する薬・漢方は?

『免疫』は、自分と自分以外のものを区別し、

自分以外のもの(異物)を攻撃し、体から取り除く仕組みです。

『自宅でできる補完代替療法』でお話したように、

体内で異物であるがん細胞を攻撃してくれる免疫細胞には、

司令塔としての、ヘルパーT細胞

攻撃実行部隊としての、キラーT細胞、B細胞

パトロール部隊としての、

NK細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞

があり、お互い連携を取り合って日々

私たちの体を守ってくれているのです。

がん細胞をやっつけてくれる免疫細胞たち

このページでは、

がん細胞を攻撃する免疫細胞の力を増強する

『医薬品・漢方』を紹介いたします。

基本的には、専門のクリニックにての処方もしくは治療になります。

 

免疫細胞の力を増強する医薬品・漢方

低用量ナルトレキソン

ナルトレキソンは、鎮痛作用があるモルヒネに似た

構造の化合物で、麻薬中毒やアルコール中毒など

薬物依存症の治療に用いられる物質です。

このナルトレキソンを、依存症治療の10分の1程度の量を

投与すると、免疫力が上がり、がんに対する

抵抗力が上がるという報告があります。

 

モルヒネは、神経細胞の特定の部位(オピオイド受容体)に

結合して鎮痛作用などの効果を発揮します。

また、

体内には、このモルヒネのような効果を発揮する物質

が脳内に存在し、鎮痛作用や多幸感をもたらすため、

脳内麻薬とも呼ばれています。

マラソンで初めは苦しいのに、ある時点から快感に

変わるのを「ランナーズハイ」といいますが、

これは、肉体的な痛みや疲労が高まると、

脳内麻薬であるβ-エンドルフィンや、エンケファリン

の分泌が起こり、それに対処するためと言われています。

そして、

このβ-エンドルフィンには免疫力を高める効果が、

メチオニン-エンケファリンにはがん細胞増殖抑制効果

あるという報告があります。

β-エンドルフィンにおいては、

β-エンドルフィンが結合する特定の部位(受容体)が

がん細胞を攻撃するNK細胞やリンパ球に存在し、

結合することによって、それぞれの免疫細胞が活性化します。

メチオニン-エンケファリンにおいては、

すい臓がん、肝臓がん、卵巣がん、頭頚部扁平上皮がんなど

多くのがん細胞に結合する特定の部位が存在し、

そこにメチオニン-エンケファリンが結合することによって、

細胞分裂を止める作用が働き、がん細胞の増殖を

抑えることが報告されています。

低用量のナルトレキソンは、このβ-エンドルフィンや、

メチオニン-エンケファリンの体内での生産量を高め、

体の免疫力を高め、がん細胞の増殖を抑えます

 

薬物依存症で用いられる通常量のナルトレキソンの場合、

麻薬や飲酒による快楽が得られるはずの細胞の結合部分に、

化学的構造がよく似ているナルトレキソンが

1日中代わりに結合してしまって、快楽が全く得られなくなり、

麻薬をやめてしまおう、酒をやめてしまおう

という気持ちにさせてしまいます。

 

がんの治療で、10分の1程度の量のナルトレキソンを

を与えた場合には、1日数時間のみナルトレキソンが結合し、

その間、高揚感や快楽が得られない状態になります。

この状態が継続すると、体はその状態を回避するために、

β-エンドルフィンやエンケファリンなどの

脳内麻薬をより多く作り出すようになるのです。

高揚感や快楽が得られなくてもよい睡眠の前に、

3~4.5㎎服用すると、朝にはβ-エンドルフィンや

エンケファリンの作られる量が格段に上がることが

報告されています。

 

低用量ナルトレキソンを処方しているクリニック

銀座東京クリニック

 

*薬を使いたくない方におすすめなのは、

「免疫細胞を増強する東洋の叡智」にも書きましたが、

瞑想や気功・太極拳です。

α波が出ている状態の時も、

β-エンドルフィンはたくさん作られます。

 

黄耆(オウギ)、センキュウ(十全大補湯)

リンパ球の免疫細胞には、B細胞、T細胞、NK細胞

などがあります。

このうち、

B細胞は、

抗体という武器を使って細菌やウイルスを攻撃し、

これを「液性免疫」と言います。

一方、

T細胞やNK細胞は、

ウイルス感染細胞や、がん細胞など、

正常細胞と違う細胞を見つけて直接攻撃し、

これを「細胞性免疫」と言います。

 

この「液性免疫」と「細胞性免疫」は相反関係にあり、

一方が強くなると、片方は弱くなります。

この調節を行っているのが、2種類のヘルパーT細胞、

Th1細胞とTh2細胞です。

Th1細胞は、インターフェロン・ガンマや、インターロイキン-2

を分泌して、細胞性免疫を促進させ、

Th2細胞は、インターロイキン-4、インターロイキン-5などを

分泌して、液性免疫を促進させます。

 

がん患者さんでは、栄養不全、加齢、ストレス、がん自体により

Th2細胞が優位に働いていることが分かっており、

これががんの進展に関連していることが分かっています。

したがって、

Th2細胞優位の状態から、がん細胞を攻撃する細胞性免疫である

Th1細胞優位の状態に持って行くことは、がんの治療にかないます。

漢方薬の材料となっている黄耆(オウギ)とセンキュウには、

Th2細胞優位の状態から、Th1細胞優位の状態に持って行く

作用があることが実際に肺がん患者で報告されています

 

黄耆(オウギ)やセンキュウを含む漢方薬として

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

があります。

 

↓こちらは市販の十全大補湯です。

 

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